大規模災害と鉄道貨物輸送の重要性

「平成30年7月豪雨」と命名された先ごろの集中豪雨は、西日本の鉄道各線に甚大な被害を与え、復旧に一か月以上要する路線は10路線、800㎞を超えた。
とくに中国山地の山間部を走る芸備線、木次線などは復旧に一年以上かかるとも言われ、今年3月に営業運転を終了した三江線に次いで廃線の噂も出始めた。鉄道ファンとしては、そんなことにならないことを祈るが、深刻なのは物流の大動脈・山陽本線の寸断である。
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津軽の旅━❻青函航路と北海道新幹線

青函連絡船の最終運航からすでに30年。津軽海峡を最も長く往復した八甲田丸(8,313トン 全長132m)がメモリアルシップとして、青森第二岸壁に繋留されている。最後に乗船したのが、この船だったかどうか記憶は定かでないがとても懐かしい。 続きを読む: 津軽の旅━❻青函航路と北海道新幹線

津軽の旅━❺無人の五能線

秋田県の東能代駅と青森県の川部駅を結ぶ147.2㎞の地方交通線、つまりローカル線である。土・日・祭日には「リゾートしらかみ」なる観光列車も走っているのだが、平日は直通する列車も日に一、二本の超閑散線である。しかし単線・非電化のこの線は、それ故に鉄道ファンには人気が高い。 続きを読む: 津軽の旅━❺無人の五能線

津軽の旅━❹弘前城と西洋館

新緑の津軽十万石弘前城に入る。桜で埋め尽くされるという日本屈指の名所もこの日は閑散。人待ち顔の人力車も手持ちぶさた。しかし城内に5,000本というソメイヨシノなどが一斉に咲き誇る頃を想像すると、ここが日本でも指折りの桜の名所であることを合点する。
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津軽の旅━❸酒田の山居倉庫と比内地鶏

なんど来てもいいところはいい。山居倉庫もその一つ。最上川の支流、新井田川に面し酒田港へ米を積み出す米蔵である。観光ポスターにもなっている庄内のシンボルで、12棟の倉庫群とケヤキ並木が連なる景観はとても美しい。 続きを読む: 津軽の旅━❸酒田の山居倉庫と比内地鶏

津軽の旅━ ❷黒石のこみせ通り

町並みに沿って道路側に付けられた屋根のある通路を、越後では「がんぎ」と呼ぶ。同じものを津軽では「こみせ」と呼ぶ。
冬の吹雪、積雪、夏の日照から人を守るための木造りアーケード状の通路、それを見たかった。
そんなものを見て何になるのかと 続きを読む: 津軽の旅━ ❷黒石のこみせ通り

津軽の旅━ ❶階段国道と龍飛崎

今回は津軽への独り旅。熱心な太宰ファンでもないし、傘寿の祝いをひっそりと津軽海峡で迎えようと感傷的になったわけでもない。ただ列車に乗り継ぐだけの阿呆旅行に付き合う仲間がいなかっただけだ。
そうなると真に気楽なひとり旅。地元の人に道を尋ね、気ままに横丁を覗き込み、
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イザベラ・バード(Isabella L Bird)と菅江眞澄

ドイツ文学者にしてエッセイスト池内紀氏の講演『イザベラ・バードの見た明治の日本』を聞く。主催は山形県生まれの知人、NPO元気・まちネットの矢口正武さん。
10年来の友である彼は、バード、芭蕉、義経を最上川の三賢人と名付け、山形県の活性化に努めているある種の変わり者である。
その彼が池内紀さんを呼ぶというのだから、これは外せない。
池内さんの著書『ニッポン周遊記』はのっけから、バードが北海道・森町、青森県・黒石市で見たもの、聞いたことから始まる。
バードの『日本奥地紀行』(Unbeaten Tracks ㏌ Japan)は明治維新後10年、文明開化には程遠い東北、蝦夷地の姿をリアルに記録した旅行記である。日本の近代化の変化を知る上で、貴重な本として評価は定着している。

浅学寡聞を思い知らされたのはバード(1831~1904)と菅江眞澄(1754~1829)の業績を対比したことである。動機も目的も異なるが、菅江眞澄はバードに先立つこと100年、東北と北海道の各地をくまなく巡り歩き、庶民の生活、風俗習慣、口承伝説、年中行事などを克明な記録として残した。その生涯は謎につつまれているようだが、柳田国男は民俗学の先駆者と評価している。

知人に大月和彦さんという「企業OBペンクラブ」に所属する人がいる。この人の書く随筆、評論の類は、そのすべてが菅江眞澄がらみ。菅江の足跡を辿って、津軽、下北、北海道を常時旅しているのだから本物である。
この講演会の会場にも、バードの歩いた道を北上中という人や、殆ど何も残っていない新潟で、バードの足取りを探索中という熱心なファンもいたから、日本人の好奇心はまだまだ健在である。
(2018.7.3)

推進、反対両面から八ッ場ダムを検証する

八ッ場(やんば)ダムは民主党政権の誕生時にいったん建設が中止されたものの、その後復活した曰く付きの大型公共工事で、今は多くの問題を抱えながらも2020年3月の完成を目指して着々と工事は進んでいる。 続きを読む: 推進、反対両面から八ッ場ダムを検証する

図書館と文庫本

かねて「文庫は出版社の収益の柱。図書館での文庫の貸し出しをやめて欲しい。」という大手出版社社長の主張の是非を論じようと考えていた。しかしこれに関する肯定派、否定派の熱心な意見を知る内に自分の論拠のいい加減さと曖昧さに気づき、ここはまず出版不況と図書館の関係から論ずべきだと思い至った。 続きを読む: 図書館と文庫本

天城越え

テレビを見ていたら南伊豆・河津辺りに住む土地の古老の喋っていることが気になった。“むかしは天城峠を越えて三嶋大社に行くのが大変だった”。つまりこの老人の「天城越え」とは伊豆半島を南から北に向かう人の前に立ちはだかる天城峠を越えることで、下田街道最大の難所であったというのである。

我々は漢字の読み違いを含め、長い間そう思い込み、信じ込んでいる事柄は多い。この例がそれで少なくとも自分にとっての「天城越え」は修善寺あたりから天城トンネルを抜けて下田に至る北から南に下るルートのことであった。 川端康成『伊豆の踊子』の主人公も修善寺、湯ヶ島から天城峠を越えて湯ケ野、下田へ向かう旅芸人の踊子と道連れになっている。 東京周辺に住む我々の多くは天城山を越えて下田や石廊崎に向かうルートを「天城越え」と呼ぶものと思っていて、下田から北上するルートをそう呼ぶことには若干違和感を持つ。

まあどちらでもいいことなのだが、間違いなら知識を修正しておかねば気持ちが悪い。そこら辺のことをちょっと調べる。

❒天城山が伊豆半島を南北に分断していて、古来物資の輸送は海運に依存していた。
❒東海道三島宿の三嶋大社を起点に、天城峠を越えて下田に至る十七里は下田路と呼ばれていた。
❒1857年 米国領事タウンゼント・ハリスは日米修好通商条約折衝のため下田から天城の峠を越えて江戸に向かう。
❒1905年 旧天城トンネル(正式名称:天城山隧道 446m)完成。 2001年日本初の石造り道路トンネルとして、国の重要文化財に指定。
❒1924年 駿豆鉄道(現伊豆箱根鉄道駿豆線)三島-修善寺開業。
❒1927年 川端康成『伊豆の踊子』発表。
❒1933年 伊東-下田間の東海岸道路開通。
❒1961年 伊豆急行 伊東-下田間開業。
❒1970年 新天城トンネル(800m)開通。

ところで我が「天城越え」の初体験は何時の頃だったか。 古いアルバムを繰ると1959年11月にそれはあった。大学二年の頃で、のちに歴史家として名を成す友人と二人で伊東からバスで下田へ。その頃伊豆急はまだ無かった。翌日の東海バスは下田-修善寺約50㎞に3時間半を要している。時速20㎞以下の超鈍足。「くねくねと曲がる悪路を走り、車酔いと戦いながら」とあるから当時の道路状況が偲ばれる。

それからは何度も家族旅行や友人とのゴルフで天城越えをしているが、何時も南下するルートばかりで、帰途は東海岸か西海岸を通って帰っている。
結局正しい「天城越え」を北上するルートであるとするならば、60年前のこの時だけということになる。
(2018.5.29)

大人のユニバーサル・ファッションを考える

こんなテーマで「頼れる大人の会」4月の講演会を開催した。
AIからマジックの世界に至るまで、あらゆるルートとツテを頼って講師を探して講演会を開いてきたが、今回のテーマはオジサンたちには最も遠い世界の話しである。
会も設立して16年にもなると、自身はもとより世話役周辺の知人友人の人脈もあらかた尽きてしまい、今後はこれまで手つかずになっていたルートの開拓に挑戦せざるをえない。折も折、友人のひとりからファッション・デザイナーを紹介しようかという耳寄りな提案があった。
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話題のドイツ映画『女は二度決断する』を考える


原題はAUS DEM NICHTS。外国語に堪能な友人が、英訳ならFROM THE NOTHING、日本語にするなら「何もないところから」とでも言うのかなと教えてくれる。
しかしこれがどうして『女は二度決断する』になるのか。
数々の受賞をした話題作であることを承知はしていても未見だった彼からは、このNOTHINGにどういう意味が込められているのか?
映画を観てじっくり考える。それから議論しようという嬉しい答えが返ってきた。
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原発が地域経済に貢献は神話だった ―新潟日報社の調査報道―

「国策も時に誤るという考えに立ち、自治体もチェック機能を果たすべきだ」と主張していた新潟県知事米山隆一氏が女性問題で辞職した。東電柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な革新系知事を推進派が嵌めた?と邪推したくなるが、当否はともかく原発再稼働が喫緊の重要課題であることに違いはない。 続きを読む: 原発が地域経済に貢献は神話だった ―新潟日報社の調査報道―

安倍政権下での公文書廃棄、隠蔽、改ざん

財務省の決裁文書改ざん、防衛省の自衛隊PKO日報隠蔽、文科省の加計問題、厚労省のずさんデータ管理・・・、もううんざり。
誰がどう擁護しても“自分や妻が関係していた”のは明らかなのだから、潔く“総理も国会議員も辞め”て然るべきなのに、厚顔無恥のシンゾーはトランプの庇護をいいことに居座る気配である。 続きを読む: 安倍政権下での公文書廃棄、隠蔽、改ざん

アドミュージアム東京

カレッタ汐留の中に広告とマーケテイングの博物館があることを知らなかった。サラリーマン生活を広報・宣伝部門からスタートした者としてははなはだ迂闊であった。
電通の第四代社長故吉田秀雄氏の生誕100年を記念して開館したとあるから既に20年、江戸時代から今に至る日本の広告の歴史が展示されている。 続きを読む: アドミュージアム東京

日光植物園で水芭蕉を観賞する


馴染の奥日光湯元温泉のホテルから“開花直後の水芭蕉をガイド付きで観察しませんか”という案内が届いた。
中禅寺湖へ向かうバスが神橋を過ぎて西参道、田母沢御用邸記念公園と停車するその次にこの植物園はあった。 続きを読む: 日光植物園で水芭蕉を観賞する