火事

昭和32年1月2日夜半。駅前富士見地区消防分団の火の見櫓の半鐘はスリバン*です。 続きを読む: 火事

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米大手IT企業の映画産業への進出

GAFA(ガーファ)ともFAANG(ファング)とも呼ばれる米大手IT企業のメデイアへの進出が目覚ましい。ITに詳しい若い人には既知の事実かもしれないが、こういう事に疎い我々世代は話題に追いつくのがやっとである。でも知らないでは済まされない世の中になってきたので、入門書片手にいくらかこの辺の事情に詳しい仲間のレクチュアを受ける。 続きを読む: 米大手IT企業の映画産業への進出

半鐘泥坊

毎朝うちの前を東ゲートへ向かうおおぜいの駐留軍労務者の中、一人目立つ日本人離れした目鼻立ちの綺麗な背高い若い女性がありました。
大きな米兵より、あたま一つ高いのだから六尺は優にあろうと噂されていました。
タイピストとのことですが駅前にたむろする、パンパンガールのお姉さんは、
「タイピスト?お体裁女め!あたいらと同じパン助のくせにさ。あたいらの目は節穴じゃねえんだよ」
と言うのでした。
確かにタイピスト、通訳、PXの事務員などと言いながらオンリーさんだったり、米兵の袖を引く女もいたのです。
我が家にいたオンリーのレイ子さんだってタイプの打てないタイピストでした。
この、のっぽのお姉さんを皆は半鐘泥坊と呼び、今でこそ180cmの女性は珍しくもないがぼくの子供の頃は振り返らずにはおれないほど珍しがったのです。
金ちゃんの紙芝居

新語・流行語から見る中国社会の変化

共立女子大・秋の公開講座を受講する。李錚強教授による標題の講演。「言葉は社会の鏡である。社会が変わればそれを反映して新しい言葉が続々と誕生してくる。」との前置きに始まり、1978年の鄧小平による改革・開放政策以降、未曽有の新語発生が今日まで続いていることを講じる。 続きを読む: 新語・流行語から見る中国社会の変化

えいりなはもの

裏庭にブドウ棚がありました。棚下は玄関脇を通って駅へ抜ける近道で、ぼくん家に来るお客さんは便利にし使いましたが、いつの間に公道と勘違いする人も現れ、僕たちが遊んでいると「こんなことでベーゴマなんかやってんじゃねーよ、邪魔だんべ!」と言って通る人まで出て、お父ちゃんは〈通り抜け禁止〉の張り紙を出したのですが、なんの効果もありませんでした。
ブドウは毎年良く実が成り、早く食べたいのですが熟れるのを待つのも楽しみで「あの房はおれの!」とガキ大将のKちゃんは勝ってにきめ、僕に向かって「オメエのケンリはユウコウだ」と、なんだかわからない事を言いながら僕には一番大きな房を割り当ててくれたのです。嬉しいような悲しいようなヘンテコな気分でした。
そのブドウが或る朝、全て消えてしまっていたのです。Kちゃんは僕がケチ心を起こしかくしたと思ったらしいのです。広澤観音堂のハニーさんが真夜中に米兵やらせた事と分かりました。ブドウの房は米兵は誰でもが持つ手のひらに収まるで鋭利な刃の飛び出しナイフで切り取られていたからです。しかし例によって米兵の絡む事全ては、うやむやに終わる時代、白状したハニーさんも何食わぬ顔で棚下を通って駅へ仕事探しに向います。
この秋、僕たちはひと粒のブドウも口にできませんでした。

異常気象の災害列島

短期間に今年の重大ニュース入り間違いなしの災害が立て続けに発生した。大阪北部地震、西日本豪雨、長期間の異常高温、巨大台風の襲来、北海道地震…。
政府発表やマスコミ報道は、その都度何十年に一度のとか、統計を取って以来初めてなどのまくら言葉を並べる。
確かに40度を超える猛暑日の連続、関西空港を冠水させ、大阪の街を吹き飛ばした台風21号、水浸しの倉敷市街や広島市の土砂崩れ、北海道の山崩れなどの現実は日頃の防災意識や訓練ではとても対応できないレベルを思わせる。

これらすべてを地球温暖化に原因を求めるのは容易であるが、右翼的発想とは別に、自然災害から国土を護る長期的な計画策定は絶対に必要である。

そしてこうした大災害が起こる都度、常に問題になるのは大きすぎる自治体の弊害である。平成の大合併は地方分権の推進、行政の効率化などを目的に全国の市町村数を半減させた。(2016年時点で1,741市町村)。
しかし広域合併は災害発生時に問題点を露呈する。合併された町には町議会や町役場が無くなり意思決定機能を失った。物事を決めるのは遠く離れた県庁や市役所、市議会になり、復興計画なども、その地域の実情とはかけ離れた大型の土木工事などになりやすい。
その上、合併の目的には人減らしもあるので職員の絶対数が減った。そのため目に見えない人間関係や災害の恐れのある場所も熟知していたベテラン職員がいなくなった。異動で別の地域に移ったケースも多い。

加えて、自治会や町内会組織が次第に機能しなくなりつつあるという現実もある。
県や広域市では大きすぎ、住民からは遠すぎるのである。災害対応という面からは平成の大合併は失敗という声もある。
もちろん合併によるメリットを享受している住民は多いのだろうが、聞こえてくるのは不便になったという声ばかりである。

合併により出来上がった広域市の市名を幾つか挙げてみる。驚くことに市が律令制時代の国名を名乗り、そこが何処に位置するのか判断に苦しむものも多い。

例えば「奥州市」。東北6県の総称みたいな名称で、余程地理に明るい人でないと、市役所が何処にあるのか分らない。
甲州市」。概念上は人口20万人の甲府より大きそうだが、実態は1市1町1村が2005年に合併した3万人の街である。
瀬戸内市」というのも酷い。瀬戸内海の何処に面する都市なのか。クイズマニアでもない限り岡山県とは知るまい。
南アルプス市」に至っては、鉄道の通っていない市として名高いとホームページにある。
徳島県の「阿波市」、岐阜県の「飛騨市」、静岡県の「伊豆市」なども文句を言いたいところである。

旧聞に属するが、10年前の能登半島地震の折、震源地は輪島市に編入されたばかりの我が故郷であった。
当初「輪島」と聞いて、朝市で有名な海岸線辺りを想像していたが、やがて震源地はそこではなく、輪島の市街地から十数キロ離れた内陸の門前町、つまり我が故郷と分かって大いに慌てた事がある。ことほど左様に広域合併の弊害は存在するのである。
(2018.9.25)

外便所とおはぐろとんぼ

水谷村(現、富士見市水子)のおじいちゃん家は百姓で、野良に出てても地下足袋のまま用が足せるように、竹林を背にした外便所がありました。竹林の裏は柳瀬川が流れ、無数の真っ黒なおはぐろとんぼが蝶のようにヒラヒラ飛び回り、便所の中まて入ってきました。 続きを読む: 外便所とおはぐろとんぼ

翁長雄志さんの潔さ

20日の自民党総裁選も、30日の沖縄県知事選も自分の気に入らない結果に終わりそうな気配を感じるが、ここではそのことを書くつもりはない。
書きたいのは翁長さんの死に方である。7月27日、最後の記者会見となった写真をみると帽子を被っているから、多分抗癌剤治療による頭髪の抜けを見せたくなかったのだろう。しかしマイクの前に立つ姿と表情には死を予感させるものはない。

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寝小便と座敷わらし

僕は小四まで時々「ねしょんべん」をやらかしていました。お母ちゃんが人目に付かぬよう干してくれたので、隣で寝る弟にも、敷布団に描いた大世界地図も、友達にもばれる事はありません。こんな日は言われなくとも、すすんでお母ちゃんの手伝いをしたものでした。
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御巣鷹の尾根

日航ジャンボ機が群馬県の山中に墜落して死者520人を出すという航空史上最大の事故発生いらい34年が経った。
8月12日が近づくと新聞各社は思いだしたように特集を組み、テレビは神流川の灯篭流しを報じるが、日航社員でも当時を直接知る人は少なくなり、この大事故も過去のことになりつつある。
ところが自分には何故か何時までもこれに惹かれるものがある。なにゆえだろうか。 続きを読む: 御巣鷹の尾根

傘寿

正月、五月の連休、夏休み、かつては煩わしいほど押し寄せてきた7人の孫たちも成長するにつれ、一堂に会することが少なくなった。
それでも7人の間には、なにやらネットワークらしきものがあるようで、時として親そっちのけで、彼ら彼女らにとっては 続きを読む: 傘寿

夕立ち

入谷の朝顔市が終り、浅草観音ほおずき市。四万六千日と続き東京のお盆様がきます。毎年春秋彼岸、お盆にはお母ちゃん手作りのおはぎ、ぼたもちを浅草のおばあちゃんの家へ届けるのが僕の役目でした。
黒人兵ト二ーがPXで買ってくれた本物のアメリカのブルージーンズとアメリカのズック靴で 続きを読む: 夕立ち

2018年前半の映画から

映画界最大の話題は、是枝裕和監督『万引き家族』のカンヌ最高賞受賞と国の祝意を辞退したことであろう。
作品の内容については多くが語られているので省略するとして、是枝は“映画がかつて国益や国策と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、平時においても公権力とは潔く距離を保ちたい”と発言して祝意を辞退した。その言や善し。

ところがこれに対し例によって、国の助成金を貰っているのにけしからんとか 続きを読む: 2018年前半の映画から

さんまたいむ

小学校一年生になった昭和23年(弟が生まれた五月頃)、アメリカが「さんまたいむ」というのをやれと言うので、時計の針を一時間進めました。それでどうなったかというと、僕には何も変わりはないのですが、学校が早く始まるのが嫌でした。何でこんなことするのか分からず
続きを読む: さんまたいむ

JR北海道はどうなる?

JR北海道をめぐる議論が喧しい。我がコラムでも毎年数回はこの問題を取り上げている。
JR北海道頑張れ(2013年)
廃線かJR北海道7路線(2015)
JR北海道から目を離せない(2015)
JR北海道赤字路線の命運(2016)
細るJR北海道の鉄路(2017)

昨年9月には「宗谷本線の音威子府以北は必要ですか?」という音威子府村の異例の問いかけに、仲間と議論した結果を村の地域振興室に送っている。それくらい北海道が好きだし、JR北の消長に関心がある。 続きを読む: JR北海道はどうなる?

食い稼ぎ一家

お盆がくると、この一家は家中で母親の実家へ里帰りをしました。
一行八人は送り火がすむ迄の四五泊を上げ膳据え膳、洗濯迄もさせ実家のお嫁さんはてんてこ舞いです。
田舎のお盆は「朝饅頭、昼うどん、夜は五目で腹下し」などといわれるごちそうです。
爺ちゃんの口の悪い友達は「今年も食い稼ぎ一家が来たな」と笑いました。
世間は食糧難でも爺ちゃんちは百姓で、米も麦も野菜も不自由無く、しかもご飯はかまどで藁で炊く銀シャリ。
それに自家製の三年ものの鼈甲色した味噌漬けは僕も楽しみでした。
母はお嫁さんが大変だからと、爺ちゃんがいくらすすめても僕を泊まらせてくれませんでした。
そんな僕に爺ちゃんは腹巻きから引き出したでっかい、がま口から「あいつ等には言うんじゃねえど!」と、いつも百圓をくれました。
この一家は帰りに子供たちに米、麦、味噌、豆、夏野菜、などなど風呂敷包みを背負わせて帰るのが決まりでした。
爺ちゃんの娘さん一家のことです。僕の父はこの娘さんの弟です。子だくさんの叔母さんです。

『本のエンドロール』安藤祐介著 講談社

全国出版協会の調べによると2017年の出版市場は、紙の書籍・雑誌の売り上げ:前年比▲7%の1兆3,700億円。電子コミック・雑誌・書籍など、電子の市場は16%増の2,300億円。
しかも紙の市場は13年連続してマイナスであるという。細かい数字に興味はないが、世の中の動向からは多分そうなんだろうと思う。


小説『本のエンドロール』はこうした紙離れ、活字離れが進むなか、「本造り」に情熱を燃やす中堅印刷会社の若い営業マンの物語である。 続きを読む: 『本のエンドロール』安藤祐介著 講談社

真犯人は?

夏休みに入って何回目かのプールの日の夜、プールから見える小さな屋敷稲荷の祠が、ひっくり返され壊されたのです。
その犯人は同級生N.Y君という事でした。それはこの日、彼はプールを休み、夕方には祠の近くでうろちょろしてるのを見た、という子が現れただけの話です。
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大規模災害と鉄道貨物輸送の重要性

「平成30年7月豪雨」と命名された先ごろの集中豪雨は、西日本の鉄道各線に甚大な被害を与え、復旧に一か月以上要する路線は10路線、800㎞を超えた。
とくに中国山地の山間部を走る芸備線、木次線などは復旧に一年以上かかるとも言われ、今年3月に営業運転を終了した三江線に次いで廃線の噂も出始めた。鉄道ファンとしては、そんなことにならないことを祈るが、深刻なのは物流の大動脈・山陽本線の寸断である。
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