北総鉄道(成田スカイアクセス線)に乗る

日本国有鉄道(JNR)が消えて30余年、だが「国鉄」、「私鉄」という区分が依然として口を衝く。JNRは7社に分割、民営化されたのだから、その時点で日本の鉄道(27,000㎞)のすべては私鉄・民鉄(一部公営)と呼称すべきものになった。
しかし国策として、或は地域住民のインフラとして整備した「国鉄」と私企業が利益追求を目的に建設した「私鉄」を同じ鉄道と考えるには些か抵抗があった。
だから長年に亘って達成した「国鉄の全線に乗る」ことには一定の理屈が通るとは思っても、「私鉄の全部に乗る」ことに意義を見出し難かった。とはいえ、鉄道好き人間にとって、同じレールを走る私鉄にまったく興味がない分けではなく、機会があれば未乗の私鉄区間にも乗るようにはしてきた。

鉄道斜陽化の影響は民間の事業者には死活問題で、大都市の地下鉄が新線を開業させる中で姿を消した地方私鉄は多い。北海道には三セク「道南いさりび鉄道」と札幌市・函館市交通局の地下鉄、路面電車以外に「私鉄」は存在しない。
手許に『1976年版の日本の私鉄』があるが、東北の「南部縦貫鉄道」、「十和田観光鉄道」、「小坂鉄道」、「栗原鉄道」、「岩手開発鉄道」は既に無い。

現在、JR線以外の日本の鉄道は約7,000㎞。その中から第三セクターや大都市の公営交通を除いた純粋の私鉄は約5,000㎞である。
仮に「私鉄の全部に乗る」ことを目指すならば、これがターゲットになる。しかしこれまでの乗車記録が残っていない上に、例えば東武鉄道の「小泉線」とか南海鉄道の「高師浜線」などを思いつくまま挙げてみても、とてもこれらにチャレンジする気持ちは起きない。
前置きが長くなり過ぎ紙幅が尽きた。今回は前号で断念した「九州トンネル紀行」の無聊を慰めることと、新幹線を除き日本最速運転(160㎞/時)を行っている北総鉄道(京成高砂-印旛日本医大32.3㎞)のスピード感を味わったことの報告である。
上野から成田空港まで40分、たしかに速い。これなら世界の空港アクセスに遜色はなかろう。ただ羽田の国際化に反比例するかのように、成田のローカル化が目立つ。20、30年前の超繁忙を知る者にとっては寂しい限り。 (2019.2.12)

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