みんな怒っている

旧知の井筒高雄さんの講演を聴く。元陸上自衛隊レンジャー隊員。今は元自衛官の立場から戦争のリアルを語り、憲法遵守を声高に叫び全国で講演活動を行っている。

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■12月1日、浦和コミュニテイセンター200人規模の集会室。
自衛隊の実態と憲法9条加憲問題』と銘打った講演に、金曜日の夜という時間帯にも拘らず大勢の聴衆が集まり、彼の話に聞き入り食い入るようにスクリーンを見つめる。
「日米地位協定」、「北朝鮮脅威論と自衛隊ミサイル防衛の現実」、報道されていない事実も多く、知らなかったなあ、なるほど、やっぱりそうだったのかと頷く場面も多い。
ただ何時ものことながら、この種の集会で気になるのは、仲間内だけが分かる言葉で会を運営すること。下手な日本語、稚拙な進行に苛立つ。しかもシュプレヒコールを強要したりする。これでは参加者は広がらない。
さいたまには“梅雨空に九条守れの女性デモ”という俳句をめぐる訴訟問題すら存在する。大それた憲法問題を論ずる以前に、もっとわかりやすい形でフツーの市民に参加を呼び掛ける方法はあるはずだ。市民の共感をえなければ運動は広がらない。

ところで、森友・加計問題。トランプリスク、北朝鮮ロケットマン、英EU離脱に比べると、政治家のスキャンダルに過ぎないという声もあるが、そうは思わない。
公文書管理、人間の良心、権力と思い上がり。日本人の常識、行動、思考を揺るがす大問題である。いま明らかにされつつあるのは、権力さえあれば何でも出来る、何をしてもいい。そこには自制も抑制も倫理観も道徳観も無く、あまつさえ常識すら変え得るという無法状態が生み出されていることである。
フクシマはアンダーコントロールされていると宣った男だから、マスコミをコントロール下に置くことなどは容易である。国民は今の力関係では到底ムリと思っているから黙して語らない。
危惧するのはこのまま10年もすると、日本人の精神構造が本質的に変化しまうのではないかということである。

さてそのフクシマ。事故から6年半、日本は福島棄民政策を取っていると言わざるをえない。国を挙げて震災復興と原発の事故処理に取り組むはずではなかったのか。
自主避難者への住宅支援打ち切り、仮設住宅の提供終了、帰宅困難区域への帰還促進。人間のやることではない。事故はなかったことにしたい、犠牲者はいなかったことにしたい、これではまるで南京事件を無かったことにしたいという発想と同じではないか。我々はフクシマを決して忘れてはならない。


■11月30日 脱原発社会をめざす文学者の会
福島出身の作家志賀泉氏とフォトジャーナリスト大石芳野氏の映像を交えた講演を日本文芸家協会で聴く。題して「チェルノブイリからフクシマへ」。
・9月中旬、チェルノブイリの現状と実態をたどるツアーに参加した。
・ウクライナ政府は率直に原発事故と事故後の対応の過誤を認めている。日本との差異は大きい。
・事故発生は1986年4月。ことの重大さを知らず市民は外出し、大量の放射線を浴びた。避難の始まったのは翌日から。三日分の食料と貴重品だけの命令に、市民は三日で帰れると信じた。
・セシウムの半減期30年を過ぎても、新たな被曝により病人が急増している。汚染された森林から木を伐採し、ペチカの燃料としたため、空気中にセシウムが拡散した。また炭を畑に撒いて肥料にするため野菜に汚染が拡大した。
・旧ソ連は事故当初、避難区域をゆるく設定した。そのため大量の被害者、特に子供の健康被害は重大で、放置すれば国家の存続が危ぶまれるとして、1991年チェルノブイリ法が制定された。


■10月17日 中村敦夫 朗読劇「線量計が鳴る」
ハンチングを被りバッグを背負い、山歩きするような姿、手には線量計を持ち計測しながら登場する。汚染された福島の各地の線量を測っているという設定。

原発は安全だ、安全だあって 自分と他人をだまくらかしてメシを食ってきたんだからな。それにしてもどこさ行っても家族や親類や友人が死んだつう話を耳にしだ

かつて原発の現場で技師として働いてきた男のモノローグ、朴訥な福島訛りで進められる。
電源三法、電気事業法、原子力損害賠償法…物語の進行にあわせて難しい用語の解説やグラフがスクリーンに映し出される。
原発利権に群がる政治家、役人、電力会社、関連企業、原子力学会、御用学者、御用マスコミなどを痛罵する。
さすが一流の役者。のちにテレビキャスター、政治家として活躍しただけのことはある。完璧な話術と説得力で聴衆を惹きつける。
ライフワークとして全国100回公演を目指すという。その二十数回目を東京笹塚の小ホールで目撃した。
(2017.12.5)

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