ダイアン・レインとミシェル・ウイリアムズ

ふたりの女優のその後の作品をまっていた。

ダイアン・レイン Diane Lane 初見は『ストリート オブ ファイヤー Streets of Fire』(1984年 監督:ウオルター・ヒル)、その時19歳。
蒼白いスポット・ライトを全身に浴びて、セクシーなボデイ・ラインを浮かびあがらせる~🎶 ロック女王に扮したダイアン・レインはとても美しく刺激的であった。

当時、関西出張が続くなか、谷間の日曜日、大阪の劇場で独りポツンと見た。
ステージが最高潮に達した頃、突然黒い制服に身を固めたストリート・ギャングが乱入して彼女をさらう。そこへ西部劇のヒーローを思わせる主人公が単身ふらりとやって来て、市街戦あり、決闘ありの後、彼女を救い出し何処へともなく町を去って行く…。
まさに副題(A Rock &Roll Fable)どおりの寓話である。

「暴力に支配された故郷の町に舞い戻った男が、悪を叩きのめして再び去って行く…」。これまで作られた凡百のアクション映画も西部劇も、これをテーマにするが、この作品はひと味違った。

ロックが響く中、夜の暗く濡れた舗道、所どころの水たまり、深夜のロック・コンサート場、エキサイトする観客、ライトを浴びて登場するロックの女王…、一瞬たりとも緊迫感を失わない無駄のない演出、ウオルター・ヒル監督のシャープな腕の冴え。この年のキネ旬外国映画部門の7位。
主人公はマイケル・パレ演じるヤサ男なのだが、ダイアン・レインがずっと気になっていた。その彼女が52歳になって、『ボンジュール、アン』に登場した。
夫の仕事仲間とカンヌからパリへ車で向かうことになったダイアン・レイン。7時間のドライブのはずだったが、美しい風景、おいしい食事とワイン、ユーモアあふれる会話、素敵な寄り道…。微妙に
変化を始めた女の気持ち。

30年以上も前に見たダイアン・レインは、我が長女に置き換えれば大学に入学したての一年生。それが今や自分の娘の結婚を考える女性に変貌している。だから30年ぶりに見たダイアン・レインには当時の面影はなく、額のしわ、目じり、口元の小皺に50代の普通の女性を感じる。その彼女が、“フランス男には気を付けろよ”の亭主の言いつけを守りながらも、二日間の旅で心は広がり、次第に惹かれるものを感じる。しかし最後まで何事もおこらない。
原題の『PARIS CAN WAIT』は”パリはほおっておいていい“と訳せるらしい。映画の惹句「人生って、まだまだステキ」が素直に同感できる羨ましい大人の関係。俺にもこんな機会があったらなあ。

ミシェル・ウイリアムズ Michelle Williams 1980年生まれ 37歳、
6年前に見た『マリリン7日間の恋 My Week with Marilyn』が忘れられない。
マリリン・モンローの秘めたる実話を演じたミシェル・ウイリアムズの美しさは比類がなかった。アルコールと処方薬への依存、情緒不安定と遅刻の常習者として芳しからぬ評判のモンローが、あるとき7日間だけ撮影中の助監督と郊外に旅へ出た。モンローはこの若く誠実な助監督の前では虚像を捨てて、純粋で本当に可愛い女になれる。
この年のゴールデングローブ主演女優賞の受賞も当然と思わせるモンローになりきった演技。うっとりするほど愛らしく美しいモンローの何処に世間から指弾されるところがあるのかと思えるほどであった。

そのミシェル・ウイリアムズが『マンチェスター・バイ・ザ・シー Manchester by the Sea』に出た。兄の遺言で16歳の甥の後見人となる主人公の元妻を演じるのだが、さすが女優、モンローの面影はなく難しい役どころを好演した。作品としては今年のアカデミー賞の脚本賞、主演男優賞を受賞した心地よい良心作で、ミシェル・ウイリアムズの輪郭のすっきりした美しい顔を再見できて極めて満足。
田谷英浩(2017.7.16)

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