細るJR北海道の鉄路 鉄道は誰のものか

3月4日のダイヤ改正で10の駅が廃止されJR北海道の駅数は436駅になった。(付表-1)
30年前の国鉄分割民営化当時の21路線 3,177㎞の鉄路は14路線 2,481㎞(▲22%)と身を縮めた。(付表-2)
人口減少、高速道路の整備、札幌一極集中と理由はさまざまだが、道内から鉄道が消えてゆくのは寂しい。
北海道の人口は現在538万人(ちなみに埼玉県729万人)、30年前のおよそ90%である。これが2040年には419万人、加えて札幌の一極集中はさらに進み、その内の41%171万人が札幌圏に住むと予想されている。
こうした予測に立つと、札幌、旭川、函館以外の超過疎地の道北や道東の鉄路をどう守るかという対策は二の次にならざるを得ず、ただでさえ気象条件が厳しく、線路の維持や車両のメンテナンスにハンデを抱えるJR北海道は気の毒と言わざるを得ない。
北の鉄路の危機は全国共通の問題である。災害の多発と人口減少時代に公共交通をどうするかは国の大きなテーマである。
昨年の熊本地震で甚大な被害を受けた豊肥本線も三セク南阿蘇鉄道も全線復旧の目処は立っていない。6年前の新潟・福島豪雨で鉄橋を流された只見線は今も不通のままである。
一方、東日本大震災で被災した三陸沿岸の山田線は漸く三セク化の方向が見えてきた。
しかし2年前、高波で大量の土砂をかぶった日高本線(146㎞)は、そのまま廃止かと噂されているし、乗客が極端に少なくなった陰陽連絡を目指した三江線(108㎞)は来年の廃止をJR西日本が申請した。
いずれにせよ地方の鉄道はピンチである。付表にあるように、一日の乗降客が10人にも満たない駅を存続させる理由を探すのは難しいが、他方、地方分権、地方創生と言いながら、リニヤ中央新幹線や整備新幹線に数兆円規模を投資して、結果、東京への一極集中を更に加速することになりそうな国の交通政策には鉄道ファンとしては大いなる疑問と不満を持たざるを得ない。
田谷英浩(2017.3.10)

付表-1 20173月4日 JR北海道廃止駅

廃止された駅 線名 ←隣の駅→ 駅間距離 ㎞ 停車列車数 本/日

上り -下り

乗降客数 人/日
美々 千歳 南千歳―植苗 12.0 14 14
島ノ下 根室 野花南―富良野 19.4 8 7
稲士別 根室 札内―幕別 9.4  5
上厚内 根室 浦幌―厚内 18.4  6
五十石 釧網 茅沼―標茶 13.9  4
東山 函館 駒ヶ岳―森 13.0  5
姫川
桂川 函館 石谷 6.6  6
北豊津 函館 黒岩―国縫 8.4  6
蕨岱わらびたい 函館 二岐―黒松内 11.4  4


付表-2 
1987年 国鉄分割民営化後廃止された路線

路線名 区間 営業距離 ㎞ 転換
函館本線 砂川―上砂川 7.3 北海道中央バス
幌内線 岩見沢―幾春別 18.1  〃
三笠―幌内 2.7  〃
松前線 木古内―松前 50.8 函館バス
歌志内線 砂川―歌志内 14.5 北海道中央バス
標津線 標茶―根室標津 69.4 阿寒バス
中標津―厚床 47.5 根室バス
名寄本線 名寄―遠軽 138.1

北見バス

北紋バスなど

中湧別―湧別 4.9
天北線 音威子府-南稚内 148・9 宗谷バス
池北線 池田―北見 140.0 三セクちほく高原鉄道
深名線 深川―名寄 121.8 JR北海道バス
江差線 木古内―江差 42.1 函館バス
五稜郭―木古内 37.8 三セク道南いさりび鉄道
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