沖縄は日本なのか

世界平和アピール七人委員会が主催するこの刺激的な演題の講演会を法政大学市ヶ谷キャンパスで聴く(11月19日)。
米軍普天間飛行場の辺野古への移転工事現場で機動隊員により発せられた「土人」、「シナ人」発言と、それを擁護、追認するかのごとき大臣発言が報じられた折でもあり参加者は熱心に聞き入る。
まず法大総長田中優子氏が登壇し、この講演会を法大キャンパスで開催してくれたお礼を述べられる。最近政権の意向を忖度して、この種、講演会の会場提供に消極的な大学や公会堂などがあると聞くが、田中総長は法大の矜持を示したというべきである。

田中優子氏(法大総長) 翁長知事も菅官房長官も法政で学んだ。
小沼通二氏(物理学者 七人委員会事務局長) 国際紛争は武力によらず、平和的な話し合いで解決すべきと考える。これまでに121本のアピールを行った。

大石芳野氏(ドキュメンタリー写真家) 「辺野古が唯一の解決策」という政府主張を裁判所が認めた。日本に三権分立はない。沖縄県民は日米同盟の犠牲になって当然と言わんばかりだ。

武者小路公秀氏(国際政治学者) 私たちは沖縄に何をしたか。植民地化した→捨て石にした→見殺しにした。ウチナンチュウは守ってくれるはずの日本軍から食料を奪われ、壕から追い出され、集団自決を迫られたことを忘れない。ヤマトは沖縄県民に謝罪し和解する必要がある。

高村薫氏(作家) 日米安保条約は日本が米軍に基地を提供し、その自由使用を認めた条約で防衛条約ではない。沖縄で日本軍は何をしたか。沖縄人は穏やかな海洋民族であるが、潜在的な感情として、憎い日本、憎い関東軍を忘れない。リゾート地沖縄と沖縄戦が結びつかない世代になりつつある。

杉田敦氏(政治学者) 基地が増えたのは返還後であり、新たな施設を更に増やそうとしている。本土の新聞の沖縄はベタ記事扱いで関心が低い。なぜ関心が低いのか。本土の利己主義、地方蔑視、上から目線の差別構造がある。日米安保は国の問題であるのに本土対沖縄の今や地域の問題になっている。日本は果たして独立国家と言えるのか。空域、電波など未だに米軍に占領されたままである。日本は米国の保護国、植民地と考えている世界の人もいる。

「土人」発言も許せないが、もっと許せないのは百田尚樹の「沖縄の二つの新聞社はつぶさなあかん」発言であり、安倍応援団の「広告出稿停止」をチラつかせてメデイアを統制するかのごとき発言である。日本はとうとうここまで来てしまった。我々一人ひとりの無関心が安倍政権に好き放題やらせるエネルギーになっているのだ。

『沖縄の新聞は本当に「偏向」しているのか』(安田浩一著)を読む。ジャーナリスト安田が沖縄の二大紙、琉球新報と沖縄タイムスの現役とOB記者約20名から取材した好著である。
年齢も経歴もさまざまな記者たちは、戦争と差別、基地問題に翻弄されてきた沖縄を新聞の役目として冷静に語る。決して偏向報道などでないことが明らかになる。今日の沖縄問題を知る必読の書と言える。
田谷英浩(2016.12.6)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中