第三セクター鉄道の消長

地方公共団体と民間事業者との共同出資で設立された三セク鉄道は63社ある。内訳は旧国鉄転換型31社、新幹線開業後の路線転換型12社、大都市圏に新たに開業した都市型20社である。
2015年度の営業成績を見ると、当然のように上位10社には都市型三セクが名を連ねている。1位:つくばエクスプレス 2位:東京臨海高速(りんかい線)、以下北総鉄道、東葉高速、横浜高速と続く。

問題は旧国鉄転換型である。もともと沿線人口の減少による輸送人員減で慢性的に赤字体質だった路線を、社会インフラの維持を目的に継承したものである。財務が脆弱な自治体では何時までも維持できるはずはない。この10年で4社がすでに廃業している。
公共性の高い三セク鉄道を収益性だけで判断することに問題はないか。少子化、過疎化の流れが今後とどまるとは考えにくく、「鉄道」をどうするかは自治体を超えて日本の問題である。

一例として北越急行を挙げる。北越急行(六日町-犀潟59.5㎞)は首都圏から富山、金沢方面への速達を目的に1997年開業した新線である。高規格の高架線を在来線最高の160㎞運転を可能ならしめた施設と車両が整っていた。
それが北陸新幹線の開業と共に見捨てられたような地方のローカル線に転落した。沿線には十日町市以外に大きな町はない。もともと北越急行は地元民のためというより、通過客のために建設された鉄道である。かつては智頭急行(智頭—上郡56.1㎞)と並び三セクの優等生と評されていた。
それがあんまりではないか。数年後、この鉄道が過去の積立金を食いつぶせば、早晩赤字になるのは必至である。開業から僅か20年くらいで廃業寸前に追いやるような交通政策には疑問を感じざるを得ない。
田谷英浩(2016.11.8)

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