旧日光街道草加宿散歩

「じゅん散歩」というTV番組がある。タレント高田純次が都内や近郊の横丁や路地、老舗の店に入り込み、庶民の生活を訪ね歩く15分番組。彼の軽妙な口調と腰の軽さがウリで、朝の10時前後、家事を片付けた主婦層やとりわけ最近のシニアに人気があるらしい。軽さと行動力なら負けないと自負もあるが、単独行ではいかにも寂しい。しかし家人はそれを見せつけられるのが嫌で中々同行に応じない。

ところへ、「足尾銅山を描くことをライフワークとする」鈴木喜美子という画家が、草加の自宅を建て直して個人美術館をオープンしたというニュースが飛び込んできた。足尾には家人も些か関心がある。先年、観光目的で訪ねたが、いまや廃墟と化した精錬所跡の痛ましい光景に強いショックを受けていたし、渡良瀬川の鉱毒問題にも関心を持つようになっていた。

東武伊勢崎線の草加駅から旧日光街道を北へ5分、オープンしたての真新しい小さな美術館「ミュゼ環」を訪ねる。絵画の世界には疎く、これを何号というのだろうか?タタミ一畳はありそうな『雪の足尾線』、『足尾の今 残された煙突』などが無表情にギャラリーを迎える。
鈴木さんは1943年生まれの73歳。画家として一本立ちして約40年、一貫して足尾銅山を描き続けているそうだ。彼女の所属する新制作協会という団体の位置や見る者を威圧する巨大な絵の価値も皆目分からないが、つい先日“日本の光と翳”を現地で学んできた者には非常に感銘深い。
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老舗の「源兵衛せんべい」で求めた醤油味の「草加煎餅」を齧りながら、芭蕉が奥の細道へと旅立った杉並木の草加松原を歩く。
芭蕉の門弟曽良というわけには行かないが、家人帯同20,000歩の二人旅。
田谷英浩(2016.11.8)

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