ハドソン川の奇跡

7年前、当時ニュージャージーに住んでいた娘からこんなメールが届いた。「“昨日(1月15日)のハドソン川でのUSエアーの不時着のニュースには吃驚しました。アメリカのニュースをTVで見ても、言っていることは10%くらいしか分からないけど、パイロットが素晴らしかった! アメージング!! フェリーやらウォータータクシーの救助が早くて助かった”てな感じのことを言っていました。」
この寒さで川に入るなんて、考えただけでも凍りそうだけど全員無事で本当に良かったとも付け加えていた。どうやら不時着水したところは、マンハッタンとNJ州の間を流れるハドソン川でグラウンド・ゼロに近く、自由の女神像にもさして遠くないところだったらしい。
娘たちにしてみれば、見慣れた景色のところである上に一週間前、正月休みの日本からアメリカに戻る機中で『ハッピーフライト』という鳥がエンジンに飛び込んで成田に引き返す邦画を見たばかりだったそうで、本当にこんな事が起こるのかとゾッとしたらしい。

事故発生  2009年1月15日 15時30分頃
事故原因  バードストライクによる両エンジン停止
航空会社  USエアウエイズ1549便
機種  エアバスA320
乗客乗員  155人
出発地    NYラガーデイア空港
目的地    シャーロット経由シアトル・タコマ空港

さてこれが映画化された。

原題名 SULLY 2016年96分
監督 クリント・イーストウッド
主演 トム・ハンクス(サレンバーガー機長役)
アーロン・エッカート(スカイルズ副操縦士役)

離陸直後のバードストライクにより両エンジン停止、操縦不能に陥ったエアバスを160万人の住むマンハッタンに墜落させれば、間違いなく9・11テロの二の舞。軍隊経験豊富なベテランパイロットはハドソン川に着水させるという前代未聞の選択を瞬時に行った。ほかに方法はなかった。
管制塔はラガーデイア空港、テターボロ空港、ニューアーク空港への誘導を試みるが、航空機はすでに低高度で飛行しており、レーダーから消えた。(緊迫の遣り取り)
事故発生から約3分後、この緊急着水は奇跡的にも成功し、一人の死者を出すこともなく、救助に駆けつけた沿岸警備隊や通勤フェリー、観光船などの活動で30分後には全員が救出された。
冷静沈着なパイロットをはじめ、1549便のクルーは「ハドソン川の奇跡」として称賛され機長は英雄になった。

だがしかし…
事故調査委員会は意外にも彼の過失責任を問い始める。我々は結果を知っているので、安心して見ているが、英雄転じて容疑者扱いになった機長はどんなに腹立たしかったであろうか。
サレンバーガー機長そっくりに扮したトム・ハンクスの演技とドキュメンタリー風にまとめたクリント・イーストウッド演出の冴え。

引退したエアバス320をユニバーサル・スタジオの巨大な水槽に浮かべて撮ったそうで一見の価値あり。
田谷英浩(2016.9.28)

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