氷屋

電気冷蔵庫なんて無かった。木製の内側にブリキの張られた氷のそれがあったが、どこの家にもあった訳ではない。木製冷蔵庫は外観の割に容量が少なかった。というのはブリキの内張りと外側の間に七、八センチ程の籾殻が詰められていたからだ。その上段に氷を入れ、落ちる冷気でその用を足した。僕の家は南栄の「魚太」という魚屋さんから毎日「三貫目」と呼ぶ氷を買ったが、一貫目というのはおよその目見当で切られ常に正しく同じ大きさではなかった。リヤカーで炎天下を運ばれる氷は汗をかいてどんどん小さくなっていき、終いの方の家は、同じ一貫目でもかなり小振りになってしまった。僕の家でもらう一貫目は食パン二斤大だったと記憶するが、一貫目の値の覚えはない。
金ちゃんの紙芝居

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