夫源病とは何ぞや

高齢社会が進むにつれ新しい病気が発生する。「夫源病」もそのひとつ。語感から想像できなくもないが、念のため広辞苑に当たる。予想通り載っていない。そこでインターネットを検索すると、案の定、そこにはいろいろ書いてある。
曰く『夫が原因で妻が体調不良を起こす現象。夫のなにげない言動や存在そのもの(存在そのものですぞ)が妻にとって大きなストレスとなり、体調不良の原因になる。症状はめまい、頭痛、肩こり、倦怠感、便秘、下痢などさまざま。原因となる夫のタイプは最も危険なのが外づらのいい夫。解決策は妻が小旅行や夜の外出などすることで、夫婦間にほどよい距離をおくこと。』とあり、「夫源病」を疑うチェックリストまで載っている。チェック項目が8つ以上は明らかに夫源病だそうだ。

家族のために必死に働き、老後は妻と外出したり、のんびり過ごしたいと願っていた男にとって、これはあんまりではないか。まったくもってふざけた話しである。
しかし全国に25,000人以上の会員がいるという全国亭主関白協会は「妻に勝たない、勝てない、勝ちたくない」という非勝三原則を掲げているというから、“亭主元気で留守がいい”の格言を忠実に守り、実行することのみが家庭の平和を保つ唯一の道と言えそうである。

こうした中で、妻に先立たれた男や、その予備軍が身辺に増えてきた。夫に先立たれた妻ももちろんいるが、この場合は一様に服喪期間を過ぎると、元気を取り戻し、友人との旅行やスポーツ、習い事、買い物、あげく新しい趣味の世界を切り開き、意外と思われるような活動を始める。
それに比べると妻を亡くした男は等しく元気がない。そりゃそうだろう。もともとやったことのない料理をやらねばならない。掃除洗濯も嫌々でもせねばならない。こんな事なら以前から料理教室に通い、女房の手伝いをすべきだったと悔やんでみても手遅れ。何処かに手ごろなパートナーがいないかと探してはみるが、鏡に写る頭髪の薄さや入れ歯の光る口元をながめれば、無謀な挑戦と諦める。下手に手を出して強欲婆さんに引っ掛かるのも怖い。「まさに男はつらいよ」である。
男はつらいよ
田谷英浩(2016.5.23)

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