ちょんまげ床屋

ちょんまげ床屋は旧川越街道、白子へ下る急坂の少し手前にありました。昭和50年全国ちょんまげ愛好会とかの一員としてテレビ出演し話題になり、一度散髪にと57年1月31日訪れたのです。軒の低い昭和初期の床店で赤と青と白のサインポールも無く、赤ちょうちんの立て看板の様なのに“ちょんまげ床屋”と出ているだけです。
引き戸を開けると、不完全燃焼かと思われる石油ストーブの臭いと、洗面器から上る湿気にカビ臭い匂いが充満していた。長椅子の待合室の壁には大小のひょうたんの数々。女優、山本富士子、京マチ子、団令子の顔が笑っている古いすすけたカレンダーが数枚。誰か横綱の写真が貼られ、小さなテーブルには貧乏徳利が置かれ、かたわらにはこれまた色の変わった一目で古いと判る週刊誌が雑然としてある。
昔ながらの手でレバーを動かす椅子はガクンガクンと三段階に倒され、ボタン一つで静かに動く椅子になれた身には恐れさえ覚える。洗髪装置はなく料金表には“洗髪なし”の料金が出ていて、坊主頭の私もバリカンで刈ったままブラシでこすり落つでもなく、払うでもなく、生温い手拭い(タオルにあらず)で、サッと拭いて終り。そのあとに匂いの強いいかにも安価と思われるトニックをふりかけて……。代金だけは2500円と一般的。参ったのはただジョリジョリと剃り上げるひげ剃り。血が出やしないかと心配したほどでした。ちなみに貧弱なちょんまげでした。
金ちゃんの紙芝居

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