地方創生と徳島県

地方創生とは何ぞや。東京の一極集中を解消し、地方の人口減少に歯止めをかけ、地域における就業機会を創出すること。そんなことであろうか。
過去にも田中角栄の「日本列島改造論」、市町村に一億円をばらまいた竹下登の「ふるさと創生事業」があるが、人口減少、少子高齢化、地域間格差は広がるばかり。今度は安倍晋三の「まち・ひと・しごと創生本部」の登場である。
地方を元気にするために政府機関を地方に移す、関係する企業や団体も地方に移り働く場が増える、民間企業も本社機能の一部を地方に移す…。これに異を唱えるつもりはないが、政治家の地元への利益誘導や安倍政権のゼスチュアだけで終わらないことを祈りたい。竹下登の「ふるさと創生事業」に至っては一億円の金塊や純金コケシ、村営キャバレーで消えた歴史もある。

東京一極集中を是正するにはどの機関をどこへ再配置すべきか? 組織や業務を抜本的に改革するところまで踏み込まない限り、省庁の地方拠点の単なる強化や新設といった組織の肥大化を招くだけの結果に終わるかもしれない。

こうした背景の中で、京都府は文化庁の誘致に手を挙げた。京都は伝統文化の集積地であるから、これは異論なく進みそうである。ところが徳島県が消費者庁の誘致に手を挙げたとなると、これは分からない。なぜ?と聞きたくなる。そこでわが友、徳島在住の正ちゃんに登場してもらう。

Q阿波踊りの徳島がなぜ消費者庁を?
A徳島県は消費者教育に熱心な県として全国に認められている。消費者行政の先進県という自負がある。
Qへえー知らなかった。何をやってきたの。
A消費者大学校がある。そこでは多様化する消費者問題の知識の習得と消費者活動を推進する人材の育成を計っている。社会や環境に良い商品選びを学校の教育でもやっているよ。
Q悪徳商法を排除できるの?
Aネットショッピング、電子マネー、携帯電話などいろんな商法があるが、消費者は主権者、いい事業者を選んで社会をよくするのが消費者運動だ。
Qあまりよくわからないが、ところで失礼ながら徳島県で霞が関がやってきたことをやれるの?
Aよくぞ聞いてくれた。徳島は県下一円に張り巡らされた広域ブロードバンドが強みだ。10年前にテレビがアナログからデジタルになっただろう。あの時、県下全域にわたってケーブルテレビ網を整備して、全国一の高速通信網が出来上がった。
これを使えば、テレビ会議も文書の送受信にも不便はなく、県内の何処からでも仕事はできるというわけだ。
Q先月、実証試験をやったそうだね。
A消費者庁長官、職員10名が「お試し移転」を行った。霞が関から離れたところで情報通信システムを使って業務ができることが確認できたようだ。7月には大規模な試行を行い8月までには移転の規模や時期が決まる見通しだ。

ただなあと正ちゃんは言う。“いまの動きは都会から田舎への人の移動だけを狙っているよね。しかし本来的には田舎の農業・林業・水産業の魅力をアップしなければ未来はないと思うよ。例えば、耕作放棄地の解消、夏だけ耕作している水田の冬季利用、農・林業のいわゆる6次産業化だよね”と。

政府機関の首都圏からの移転については、文化庁、消費者庁以外にも総務省統計局の和歌山県などが取りざたされている。しかし抜本的な日本改造を考えるなら宮内庁の京都移転、遅きに失したが復興庁の福島、宮城移転も検討されて然るべきであろう。
田谷英浩(2016.4.20)

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