学術とことば

2016-02-03 21.07.53

総合研究大学院大学学術シンポジウム

日ごろ、日本語の使い方がおかしい!何でもかんでも英語にするのはけしからん! などと訳知り顔で書いたり、喋ったりしていたツケがまわって、この頭の痛くなるようなシンポジウムに誘われた。
これまでの言動からして断りにくく、ホーそうですか、興味ありますよ、面白そうですね などと心にもないことを言いながら参加した。この辺りちょっと嫌らしいところだが、世渡りとはこういう事を言う。

会場は芝公園のメルパルク東京、瑞雲の間。主催の総合研究大学院大学の名前も知らなかったし(あとで博士課程のみの国立大学院大学であることを知る)、前後左右の受講者も言語学者か神保町の本屋のオヤジを思わせる風貌の人が多く、市民活動家や一般教養を求める市民は見当たらない。場違い、専門外、居心地の悪さを感じるが、今更コソコソ退出もできない。

基調講演は慶大名誉教授で言語文化学 鈴木孝夫氏の「日本語のタタミゼ力」。ところでみなさん、タタミゼって聞いたことありますか。帰宅して調べたら、フランス語にtatamiserという言葉があり、日本かぶれするとか日本贔屓になるといった意味があるそうです。
つまり日本語を学ぶことによって、日本人のように柔らかく謙虚な性格になる(ホントかな)ことをタタミゼ効果というそうで、ある言語(日本語)を使うとその言語(日本語)に合わせて、人格も動作も頭脳構造の枠組みまで変わる。例えば日本語を話すたびに自分がこんなに礼儀正しい人間になるものかと驚く外国人がいるそうです。(ホントかな)

冒頭のここまでは、ヘー!と一応理解できたが、その後の言語学者、言政学、生物物理学者の話しは難解で理解不能。
ただし「外来語が多い学術用語の中で、日本語は今後どのような展開をしていくべきなのか」、「日本がノーベル賞を取れるのは自国語で深く思考できるからであり、我が国も英語ではなく自国語で科学教育を行うべきだ」とする韓国の意見をどう考えるか といったパネルデイスカッションは興味深かった。

しかしそれよりも何よりも収穫だったのは、おん年90歳の鈴木孝夫氏の森羅万象総てにわたる途方もない知識と素晴らしい話術、語彙の信じられない豊富さに触れた事。
この人にかかったら、どんな難しい話でもややこしい話でも、他人を説得し丸め込めそうで、こんな人が世の中にいたのだとまったくもって驚いた。日本の教育に欠けているのは詭弁学と弁論術と言っているのだから間違いない。今からでも遅くない、弟子入りしたい心境である。
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取り敢えず同氏の著作『日本の感性が世界を変える/新潮新書』を読むことにする。
田谷英浩(2016.1.27 )

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