今年は何処を旅するか

昨年は北陸新幹線に乗らずに金沢へ行った。JR在来線と第三セクターを13本乗り継いだ11時間の旅がハイライト。
さて今年は何処へ行こうか。
とは言いながら実は既にイメージは出来上がっている。しかし春には北海道新幹線の開業があって東日本の列車ダイヤは大幅に変わりそうだから、3月になったら新しい時刻表と首引きで計画を詰めなければならない。
テツの世界には時刻表を眺めるだけで、旅情に浸れるという鉄分濃度の濃い重症患者も存在するが、こちらの病状はそこまでは行っていない。ワクワクはするが眺めるだけで十分という心境には到達していない。


さて行きたいところは二つある。書棚に吉田桂二『なつかしい町並みの旅』という文庫本があり、これまでもここに紹介された町を見に行ったり、鉄道旅の途中、下車して町を見たりした。
小樽、喜多方、佐原、井波、伊根、伏見、吹屋などがそれである。まだまだ沢山残しているが、次は青森県の黒石に行って来ようと思う。黒石に一番近い大都会は弘前で、そこから弘南鉄道というローカル私鉄が出ている。
町並みに沿って道路側に付された屋根のある通路を越後では「がんぎ」と呼ぶが、同じものを津軽では「こみせ」と呼ぶそうだ。
道の両側に「こみせ」が長々と続く黒石の町並みを見たい。そんなものがどうして見たいのかと問われても困るが、見たいのだから見たいとしか言いようがない。
そして旅の目的を黒石にするならば、その前後に酒田の山居倉庫、鰺ヶ沢の焼きイカ通り、竜飛先の車の通れない国道などが加わり、羽越線、五能線、奥羽線、津軽線の二泊三日の旅程が浮かんでくる。


二つ目は陸中大橋のループ線をじっくり体感したいことである。釜石線の遠野と釜石の間に陸中大橋という駅がある。
そのひとつ手前、上有住という駅を発車した列車は釜石へ向けて急勾配を下り始める。短いトンネルを幾つか抜けた後、列車は長いトンネルの中で180度方向を変える。これが有名な陸中大橋のループである。国道の釜石街道は仙人トンネルで難所を通過しているが、列車はトンネル内でループを描くことで、千分の23という高度差を克服する。トンネルが半長円形を描いてタコの頭に似ているところから、地元ではタコトンネルと言ったらしい。

勿論数十年前に乗ってはいるのだが、その時は釜石から乗車した。しかし今ほど鉄分は濃くなかったので、妙な走り方をするなとは思っても、陸中大橋を境に、釜石線に東線と西線があったなどということも知らなかった。
でも今ではこの不思議な走り方を知ってしまった。身を入れてこの区間を体験したい。陸中大橋で途中下車して次の列車が来る二、三時間のあいだに、全線の開業以前、小荷物は索道で、旅客は徒歩で越えたという仙人峠に取り付いてみたい。

釜石線の前身は岩手軽便鉄道で宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のモチーフになった。駅名看板が妙にわけあり、ロマンチックな造りになっていて興をそぐが、それは我慢することにして、気仙沼からBRT、槻木-福島間は阿武隈急行、郡山-いわき間を磐越東線にすれば、二泊三日のテツ旅の夢はふくらむ。

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