東京ステーションギャラリーと「九谷焼の系譜」

石川県人を名乗るからには県の伝統工芸「九谷焼」についても薀蓄のあるところを披露したいのだが、残念ながらその方面の知識はまったく無い。いまだに陶器と磁器の区別もつかない。
だが九谷焼360年の歴史を東京駅構内の美術館で知ることができるという惹句には抗し難く、漸く秋めいた一日、のこのこ出掛ける。会場が上野や六本木の美術館だったら多分行かなかったろう、鉄道と名がつくと心が動く。
東京ステーションギャラリー
まず焼き物よりステーションギャラリー。実はここは初めて。東京駅の復原工事で休館していたが、6年ぶりに2012年に再開館したのだという。丸の内北口に位置するギャラリーは創建当時の赤レンガ壁が露出した重厚な空間である。辰野金吾設計になる1914年の東京駅開業当時の日本煉瓦製造製の構造用レンガがあらわになっている。レンガ壁のところどころ黒いのは木製レンガが1945年の空襲による火災で炭化したものだという。

ギャラリー内の休憩室では剥き出しになった鉄骨に FRODINGHAM IRON & STEEL Co. LTD ENGLAND という刻印が認められる。これだけでも充分来た甲斐がある。東京駅100年の歴史の重みを再認識する。

さて九谷焼、石川県内の主だった美術館からあらかた取り寄せたのではないかと訝るほど、多くの作品が展示されている。
ここで見る大輪の牡丹と蝶も鮮やかな色絵大皿、グラデーションが幻想的な彩釉磁器を見ていると、素人目にもTVの人気番組「何でも鑑定団」に出てくる皿との違いは明らかである。

折角来たのだから、少しは学ばねば。
1 九谷焼は1655年ころ加賀の九谷村で藩窯として誕生したが50年後に閉窯した。これを<古九谷>と呼ぶ。
2 1800年以降、九谷焼の復活を目指す開窯が続き、この時期のものを再興九谷と呼ぶ。
3 古九谷の窯業技術は肥前有田に学んだとされ、佐賀の有田か、石川の九谷かと産地をめぐる論争の答えは現在も出ていない。
(2015.9.8)

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