サック風船

あのサック風船のY・Sちゃんです。

 Yの鼻に濃緑色のたとえ様のない臭さの洟が消えることは無かった。
“青葱”とも呼ばれていたが、Yはそれを上着の袖で拭い、袖は青葱が干いてブリキでもあるかにカチカチに固まった。
かといって誰もが不快がるでもなかった。もっとも駅前にはYを筆頭に三人程いたし、学校にでも行けば、Y程で無いにしてもいくらも居たのです。
当時の子供は大抵は坊主頭で、私もそうだが、家庭で父母がバリカンで刈ってくれたが盆と正月は我家の営む”鬼八あられ”の向いの長嶋床屋に行った。他に近くに無かったので子供の行列ができたYは浮浪児が如の頭で”五厘”という一等短い刈り方で”じゃりっぱげ”が目立った。顔も剃ってもらいさっぱりするのだが、床屋のおばさんは青葱が気持ち悪く、その辺は剃刀を当てずにすませた。
Yの額際には白毛のまとまって生えている所があった。又、目の下に”しろなまず”があってこれも治ることがなく、何よりも僕等が珍しがったのはYの目が常に赤かったことだ。女の子は”うさぎちゃん”なんで可愛く読んだのがおかしかった。
小学校六年生だというのにおじいさんみたいな顔で……でも気のやさしい青葱は小さな子からはYちゃんYちゃんと慕われていた。どこで覚えたか、猥歌が得意で中学生に教えたりします。すごい小学生でした。
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