樋口英明裁判長の勇気

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関西電力高浜原発の再稼働に福井地裁はストップをかけた。4月14日、福井地裁の樋口英明裁判長は住民らの訴えを認め運転を禁じる仮処分の決定を出した。仮処分決定はすぐに法的拘束力を持つので、今後の司法手続きで覆らない限り再稼働はできない。
理由は原子力規制委員会の新規制基準が「緩やかにすぎ、合理性を欠く」から。技術的なことは分からないが、「国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの認識に立つのではなく、深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しで対応が成り立っていると言わざるを得ない」との指摘に共感する。
この裁判長、昨年5月の大飯原発運転差し止め判決においても、住民の人格権を重視すべき価値であるところから結論を導きだした人である。
下世話になるが、樋口裁判長の人事は全裁判官が注視していたらしい。下級審の裁判官の多くは今も最高裁の方を見て判決を書いていると言われる。国策に反する裁判官はやはり排除されるだろうと思われていた。そしてやはりと言うべきか、樋口判事は仮処分の決定を出す前の4月1日付けで名古屋家裁に異動になった。ところが管内の裁判所であることから、福井地裁判事を兼務する異例の発令があった。最高裁人事局は世論を多少は気にしているのかもしれない。
そして再稼働ストップを報じる紙面の中に弁護団の河合弘之弁護士の笑顔を見つけた。この人、なぜ弁護士がドキュメンタリー映画を作らねばならなかったのか? を問う『日本と原発』という本格映画を昨年公開した。11月下旬だったか、シネマート六本木で満員札止めの中で見た。「裁判はたった一人でも正義をかけて闘える民主主義社会の安全弁みたいなものだ。だから僕はひとりでも闘う。でもそれだけじゃみんなに伝わらない。ひとりでも多くの人に真実を伝えるにはやはり映画しかない。」
第二、第三の樋口裁判長や河合弁護士が現れることを期待する。
(2015.4.19)

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