必見!イミテーション・ゲーム

映画に詳しい大阪の友人から最近しばしば作品評を求められる。好き者同士だからやり取りのレベルは結構高い。今年のアカデミー賞作品賞を獲得した『バードマン』と『セッション』を公開後ただちに見ること、『イミテーション・ゲーム』を高評価することで一致。サラリーマン生活からようやく解放された友人は、趣味の世界の充実に努めるというからうかうかできない。以下、3月までに見た注目作をコメントする。

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ジミー、野を駆ける伝説
Jimmys hall 2014 英・アイルランド・仏 ケン・ローチ
“英国の至宝 ケン・ローチ”という惹句がある。『天使の分け前』『麦の穂をゆらす風』、今や監督の名前で客を呼べる数少ないひとり。英に対する独立戦争と内戦を経た1930年代アイルランドの田舎の人々の話し。当時農民たちはどんな夢と希望をもって地主などの圧力と戦っていたのか。そこへかつての闘争のヒーロー、ジミーが亡命先のアメリカから10年ぶりに帰ってくる…。厳しさの中にも爽やかな田舎の匂いがする佳作。

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サンバ
Samba 2014 仏 オリヴィエ・ナカシュ
前作『最強のふたり』で大いに笑わせた監督と主演オマール・シーの娯楽作。今回のテーマは移民、貧困、多民族と重いが、軽いタッチで明るく描く。

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バンクーバーの朝日
2014 石井裕也
太平洋戦争間近のバンクーバー。日系移民二世を中心にする野球チーム「バンクーバー朝日」は、人種差別と過酷な肉体労働に直面している日本人街住民のかすかな希望だった。大柄で大味なプレーの相手に小技で対抗して一度は白人リーグの頂点に立つが、1941年12月の真珠湾攻撃で暗転。こういう反戦映画もあるのだ。『舟を編む』『ぼくたちの家族』、石井裕也も名前で呼べる監督になった。

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ナショナル・ギャラリー 英国の至宝
National Gallery 2014 米仏 フレデリック・ワイズマン
ロンドンの国立美術館ナショナル・ギャラリーの全貌がそこで働くスタッフ、展示される絵画、それらを見る観客の組み合わせで描かれる。絵に見入る老若男女のさまざまな表情、ささやき、独り言を見ることで、映画の観客も美の世界に導かれる。ひと気のない美術館の音、高度な修復作業、予算や宣伝をめぐる論争、非常に興味深いのだがいかんせん3時間は長すぎる。

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ドラフト・デイ
Draft Day 2014 米 アイヴァン・ライトマン
ケヴィン・コスナー演ずる野球選手もの『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)、『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』(1999)は爽やかな秀作であった。その彼もすでに60歳、今度はNFLのあるチームのGMとしてドラフト会議で辣腕をふるう。しかしアメフトのドラフトのルールに疎く、画面に展開する大仰でさまざまな駆け引きについて行けない。

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イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
The Imitation Game 2014 米英 モルテン・テイルドウム
12年の歳月をかけて、一人の少年の成長を撮りつづけた『6才のボクが、大人になるまで』が昨年の洋画ベストワンでアカデミー作品賞を取るだろうと思っていた。
しかしこの『イミテーション・ゲーム』を見て考えを変えた。三年前の大傑作『アルゴ』に匹敵する全編に漂う緊張感と複雑に展開するストーリー。これぞNO 1と宗旨替えした。
第二次世界大戦時、難攻不落と言われたドイツ軍の暗号<エニグマ>解読に挑んだイギリスの数学者アラン・チューリングたちの物語。英政府は国家機密として、50年以上この事実を隠し続けていたという。洋画ファン必見。
(2015.4.8)

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