正月二日の大宴会

我が家には、かなり以前から正月二日に家族、親戚が集まる慣わしがある。独立した子供たちや孫、親族が20人近く集まり、みんなでおせち料理を食べながら正月を祝うことにしている。
孫の成長とともに、一堂に会する機会が減る中で、この日は貴重な全員集合の日でもある。
輪島塗の重箱に詰められた色とりどりの正月料理、これは料理自慢の家人の手づくり。酒は金沢から取り寄せた『前田利家公』。すっきりとした味わいの吟醸酒がいつの頃からか定着した。
我々の子供の頃は、マメに働けるようにと「黒豆」を、将来の見通しがきくようにと、穴の開いた「れんこん」を、カシラになることを願って「八ツ頭」を、と祖父や祖母に講釈されながら、無理やり箸をつけさせられた。
時代変わって、ハム、ソーセージなどの肉系で育っている今の孫たちは、おせちには見向きもせず、手が伸びるのはせいぜい栗きんとん。彼らの親、つまり我が子の世代にしてからが「数の子」や「紅白のなます」、こんなに美味いものはないと思っている肉厚の「椎茸」にさえ手を出さない。
こんな光景を見ていると、「重詰めの御節料理」などと言う日本の伝統食文化はいつまで続くだろうかという気にもなる。

さて隣の部屋では百人一首が始まった。中学生時代“クイーン”の称号をまつられた二人の娘は、その座を守ろうと必死だが、孫たちが急速に力をつけ母親に戦いを挑んでいる。
やがて夜も更け、メインイベントの時間が近づいた。これは何かと言うと、ひとりひとりが「今年の抱負」を発表すること。
数年前までは尻込みしていたチビたちが、早く自分に順番を回せと急き立てるさまは我が血筋としか言いようがない。
大ぶりのビールの栓抜きをマイクに見立てて喋る光景は大いに笑える。しかしホーッと感心したり、ヘーッと驚いたりする発言も続く中、普段は照れくさくて言えないような謝意が示されたり、意外な事実も発表される。“えーっまた生まれるの”というようなことはもう無いが、数年後には芙ちゃんの結婚宣言が飛び出すかもしれない。いい伝統は続けたい。     (2015.1.27)

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