GIトニーとギャリー

二人の米兵トニイ23才とギャリイ21才の話です。 二人はハニーさん達には目もくらず、いつも 二人での仲良しです。「隊を離れて静かに 時を過ごしたい」とのことで、我家の六畳一間の 別軒に居ました。私は高三で年も近くすぐ 仲よく成りました。トニイは日本語はペラペラ ですが、前出のニールさんの如、読み書きは できませんでした。騎兵隊員とのことでしたが、 二人は制服で現れた事は一度もなく 決って長ズボンを膝下辺りで切ったハンズボ ンです。それでもっすが進駐軍の豊かさ きちんとプレスされています。足元はといへば ビーチサンダルと呼んだゴムぞうりでした。

彼女の恋心私の知り合いに二人のデパートガールがいました。当時デパート ガール、すなはち百貨店女店員に成ることは大変 な事で家柄も含め眉目秀麗、品行方正、 学業優秀…加へて身長百五十四センチ以上な る条件を有せねばなりませんでしたので、二人は 鼻高々のなまいき女でした。その一人がS子。私の紹介 でトニイ、ギャリイとトランプをしたり茶を飲む 内にギャリイに恋をしてしまったのです。そして 彼女は彼に恋心を打ちあけましたが、ギャリイは 戸惑うばかり。ついには彼女をさける様になり ました。又ギャリイはトニイに比べて大そう大人し く、私達とまったく口をきくこともない男で す。それでも“horse cavalingだよ”トニイが 笑いました。

言葉の壁そこでS子はラブレター作戦に出たのです。 ギャリイは日本語は全くだめで、トニイに手紙を渡す もトニイも文字は読めず、手紙は私の元に。 その手紙がすごかった。オリエンタルムードをねらったが 毛筆の手紙は、ヴェルレーヌの恋歌から始まる 巷に雨の降るごとく、わが心にも涙ふる… そしていかに自分がギャリイを想っているかが続くのだが、 私の読むのをトニイは大笑いで聞き、直ぐギャリイ に話す。ギャリイも大笑いで、「オーノー」を くりかえす。そしてこの手紙はトニイの手から 基地内の日本人労務者(モータープールのAさん) に渡る。S子はあらぬうわさを立てられ、町から 失恋失意のまま消えたのです。その後、私ががある ハニーから聞いた所によると、トニイとギャリイは 出来ていて当然二人共女性には興味の無かった ことを知った。言われてみれあ私にも思い当るふしは いくつかあった。と同時に我家から二人も消えた。 何のあいさつも無く消えた。三か月分の家賃も 踏み倒されて。 その後、S子は他のオンリーさんになったと風の うわさは伝へたが、確かなことではない。S子存命なら(平26時点) 76才になっている。

皮のグローブローマ字を習い始めた頃だから 四年生だったか。 東ゲートに立つと米兵の野球練習が 望め、ぼく達も野球に夢中だったので よく見物に行きました。 赤と白のユニホームのかっこ良さに先ずおどろき 本物のグローブの球を受けた時の音には 言葉もありません。審判を女性兵士かが つとめていたのにも…。とにかく何にもかににも おどろくばかりです。本場ののベースボールです。 ぼくは“ヒヤエナ”と読んでいたが“ハイエナ”といふ チームでした。 この中の66番のごっつい青ひげの兵隊さんから ぼくは彼の使った本物の皮のグローブを投げてもら いました。…が、学校に持って行って 盗られてしまったのです。毎日毎日 ボロ切れでみがいて、夜も枕元に置いて 大切にしていたので……。ぼくは泣いてし まいました。66番のひげに何度も何度も 「サンキュウ ベリマッチ」をいって「宝物にします」なんて 言ったグローブでしたに。

またみてね

またみてね

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中