2014年に出会った本

友人に年間100冊以上の小説を読むことを目的にする豪の者がいる。シリーズものや上・下巻の大作などの場合、全部読んで1冊と数えるかどうかは確認していないが、いずれにせよ凄いことだ。飽きるほどやっていたゴルフを卒業し、浴びるほど呑んでいた酒を止めて、次に猛然と小説を読み始めた。あろうことか今年は『源氏物語』に挑戦するという。
こういうメリハリの利いた生き方を平然とできるのは羨ましい。いつまでも未練がましく下手なゴルフを続け、夜の街をうろつく悪癖から逃れられない身としては大いに反省させられる。
とはいえ人並み以上に本を読んでいるという自負もある。例によって、昨年出会ったものの中から、特に感銘を受けた5作品を挙げる。

9k=-1

辞書の仕事 増井元
『広辞苑』、『岩波国語辞典』の元編集者が語る辞書づくりのあれこれ。「戦前の辞書は「愛」から始まり「女をんな」で終わった。戦後の辞書は「愛」に始まり「腕力」に終わる」(高見順)。

2Q==

複眼の映像 橋本忍
『生きる』、『七人の侍』など黒澤映画の成功は黒澤明、橋本忍、菊島隆三、小国英雄といった脚本家チームの力量にあった。映画ファン必読の書。

9k=-2

逆境経営 桜井博志
純米大吟醸『獺祭』誕生の顛末記。親父さんの急逝により三代目は廃業寸前の旭酒造(山口県岩国)を引き継いだ。いまや山形の『十四代』とともに銘酒の誉れ高いが、杜氏を置かず技術革新(データ管理)で酒造りに挑戦した。ユニクロの創業者も、『獺祭』の成功者も、安倍晋三も山口県出身なのは気に入らないが仕方がない。

9k=-3

石の虚塔 上原善広
15年前、旧石器捏造事件が発覚した。「神の手」ともてはやされた男・藤村新一はいま何処で何をしているのか。大学のサークル活動にすぎなかったとはいえ、考古学に対する興味を依然失っていないので本書に飛びついた。
兄貴みたいな存在だった岡本勇さんや酔っ払い教授中川茂夫さんの名も出てきて懐かしい。ただしこの本で学んだことは、考古学会の非科学的体質と学閥の凄さ。立教はお呼びじゃなかった。

Z

しなやかな日本列島のつくりかた 藻谷浩介
地域活動、まちづくりに些かかかわる身として、この対話集から得られた教訓は限りなく大きい。現在、ここに登場する学者らの関連著書を取り寄せ熟読中である。

・商店街はなぜ滅びるのか 新雅史
・限界集落の真実 山下祐介
・日本農業への正しい絶望法 神門善久
・医療にたかるな 村上智彦
・鉄道復権 宇都宮浄人

(2015.1.25)

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中