学校のこと町のこと、少々-1

 

はじまるよはじまるよ

便所のはなし学校の便所です。女子は決って何人が 連立ってトイレに行くのが、ぼくは不思議です。 注意してみてると、今でも女の人はそうみたいで すが……。わかりました。昔日の便所は怖かったの です。特に学校のそれは便壺がつながっていて とにかく深いのです。ためしに小石を落すと ちょっと間があって、ポチョンと音がします。 もし落ちたら先ず死あるのみです。それに きんかくしを跨ぐと「お尻を拭いて やろうか」と赤い手青い手がのびて来るという ことで、ぼくは一度も学校の女便所(男子 も共用だが、戸のあるきんかくしのある方をそう 呼んだ)で一度も用を足したことがなかった。 それはぼくだけでない。弱虫の男の子はだれ もがそうで、中の一人は月の内一度は“うんこ もらし”をやった。そしてズボンの裾口から 流れ出たやつを道に落し落しオーンオン オンと泣き声をあげて帰った。

宝くじ同級生のK君は“こじき”と渾名される 子でした。坊主頭ものび放題、身なりもおんぼ△ 二本洟をたらし、カバンも無いので、風呂敷包△ の教科書で登校です。が二年生S25?の時 宝くじ壱等百万円が当り、全てが一変しました。 家は新築、衣食も改まり、当時高値でした 金釦の何十と付いたオーバーコートに皮靴で の登校に学校中の目を集めました。 それまで持ってきられなかった弁当も、昼近く になるとお母さんが、これまた“パンパン風”の装いで 「食はたまご焼にしゃけだよ」なんて持って 来たりしましたが、二つの鼻の穴から 青いねぎの様な二本洟は変わりませんでした

雑巾がけ教室廊下掃除は放課後生徒のすることに なってます。長い廊下はぞうきんがけをしますが 子供の力では雑巾がきっちりと絞れず、ビチョ ビチョのまま廊下をすべらせるだけです。 なので床は水を絞っては乾きのくりかへしで 白くカサカサでした。何故か男の先生は棒を手 にしての監督です。水道なんて有りゃしません。 外の井戸までバケツを持っての往復でした。

とび箱総じて運動は得意でしたが、とびばこの 八段はなんともならなかった。放課後一人で 練習をしたが、終いには頭から落ち、顔面を 打ち、鼻血はマットを染めた。 小使いさん(内田七之助さん。同級生いつ子さんの お爺ちゃん)に手当てしてもらった。七之助さん の手にしているのは、青いホーロー引きのやかんと 大きな渋団扇です。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中