『日本の居酒屋文化』マイク・モラスキー

jpeg面白い本を読んだ。本屋に溢れるガイド本ではない。著者は在日20年、60歳のアメリカ人。その日本通が日本の居酒屋に魅せられて北海道から沖縄まで呑み歩いた上に辿りついた日本文化論。自らを「赤提灯依存症」と名乗り、毎日どこかの居酒屋のカウンターで鯵のさしみや〆鯖を箸でつつきながら、日本酒をちびちびやっている。
でも日本の大学で「日本の戦後文化」や「東京論」を講じている文学博士で、こんな人と何処かで遭遇したいものだと思う。彼に言わせると、日本の居酒屋にはロンドンのパブ、パリのカフェ、マドリッドのバル、ミュンヘンのビアガーデンなどの飲食文化空間との類似点が見受けられるという。
そして地元に根付いた個人経営の赤提灯こそが日本の呑み屋文化の核心であるとし、まるでFBIのごとく片耳にイヤフォン、口許に小さなマイクをつけ、常時厨房と連絡を取り合っている黒づくめの従業員が働く大型チェーン店に彼は馴染めない。
お客と店主(おやじ)の関係が、顧客と社員(社長)みたいな雰囲気になっていて、とても好きになれないそうだ。全く同感。
そしてこの本では、居酒屋、赤提灯、大衆酒場、小料理、割烹、郷土料理、焼鳥屋、もつ焼き屋、焼きとん、煮込み、屋台に至るまで、あらゆる和風酒場を定義づけ、その違いと特徴、いい店の外からの見分け方、店内はコの字が最高とまで言わしめている。ありとあらゆる酒場の考察が臨場感ある筆致で書かれていて、日本人呑兵衛も顔負け。地名と店名は120軒ほど出てくるが、地図も最寄り駅も料理の写真もない。文章だけでこれだけ、その気にさせられると、現役時代全国区で呑った人間としては悔しい。
その内都内の数軒にチャレンジしたいと思う。
いまこのテの話しに乗って来そうなのは、N氏、O氏くらいだろうが、我がサークルの顧問先生からは、そういう機会があれば是非誘えとも言われている。赤羽には朝7時から開いている東京一安い「いこい」、十条には「斎藤酒場」という名店?があるという。
“とりあえずビール”からやってみるか。(2014.8.1)

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