レデイー・カガと北陸新幹線

二年後、北陸新幹線が開業し、東京・金沢間は二時間半で結ばれる。山中、山代、片山津など加賀温泉の若い女将さんらは、米の人気歌手Lady Gagaにあやかろうと、「レデイー・カガ」を結成、東京からの観光客招致に走り出した。
我が家の能登墓参ルートもこれにより大きく変わることになりそうである。遠くは上野発の夜行列車で津幡駅乗換え、七尾線で穴水駅へ、そこからバスで門前。いくら急いても翌日の昼過ぎにしか着かなかった。
その後は上越新幹線、北越急行の開業により、金沢までは鉄道、そこからはレンタカー。さらに能登空港の開港で日帰り墓参も可能になるなど、能登へのバリエーションは広がった。しかし現地での利便性や経済性、支度の簡便性を考えると、最近は専らクルマに頼っていた。
開通当時は片側一車線区間も多く、緊張を強いられた関越、上信越、北陸の各自動車道も今では全線二車線の走りやすい高速道になっている。当初は無駄な公共事業と言われもしたが、今となっては巨大なインフラが整備されたと安心する。
だがクルマで行くようになってからも、能登半島の付け根に当たる高岡あたりから、半島を北上するには、三、四時間を要したものだ。しかしそれも後年、能登有料道路の開通によって解決した。
さらに驚いたことに、合田敏夫さんの一周忌(6/30)に出て知ったのだが、その能登有料道路が4月から無料化されていた。
償還を終ったとも、観光客誘致のためとも聞いたが、いずれにせよ能登道路から眺める日本海の美しさと浜辺を走る「なぎさドライブウエイ」は能登観光のハイライトであった。この道路を幾度走ったことか。墓参で、ゴルフで、観光で…、嬉しそうな家族、友人らの笑顔も思い出されしばし感慨に耽った。
閑話休題、本題に戻る。
故郷や田舎は遠いからこそ値打ちがあるのではなかろうか。トンネルだらけで景色もろくに見えない地下鉄のような鉄道で先を急ぐ必要が本当にあるのだろうか。急ぐ人は飛行機に乗ればよい。だから長野から先の北陸新幹線はいらないと主張してきた。東京の一極集中がますます進むだけで、日本の健全な人口分布がさらに破壊される。政治的に止まっていたはずの公共事業が続々再開され、北陸の日本海沿いには異様に巨大なコンクリートの橋脚がニョキニョキと建ち並び、“美しい日本”をぶち壊している。もう止められないし、止まらない。無力を嘆きつつ、
現実的な問題点を考える。
真っ先に思い浮かぶのは、羽田・富山便と羽田・小松便の去就。新幹線の開通で、新潟便や仙台便が無くなったように、富山便はまず勝負になるまい。小松便はどうか。小松から西へ行く人には一定の競争力を残しそうだが、金沢以遠の在来線乗り継ぎダイヤ次第で、これも勝ち目は無さそうである。
富山在住の友人から情報を得る。「これまでの富山は名古屋経済圏にあったが、今後は東京になる。すべてを東京に吸い取られないために、北関東の企業をターゲットに企業誘致に力を入れている。」
「レデイー・カガ」は関西並みに近くなる首都圏の観光客を狙っている。東海道新幹線の開業で熱海が廃れたように、草津や塩原からますます客が減り、加賀温泉や和倉温泉が栄える。素通りされる長野県には閑古鳥が鳴く…?
首都圏と北陸三県の人口の圧倒的な差(10倍以上)、経済力。北陸新幹線は何をもたらすのか、目を離せない。(2013.7.10)

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