お気狂っあん

裸のおばさん 人呼んで お気狂つあん
はじまるよ

共同井戸
共同井戸でおばあさんは魚をおろしています。そこへ紙芝居がきます。 そして紙芝居屋が 「おきっつあん!腰巻きをめくってべべみせな。べべに水飴食わせてやるよ」 居合わせた皆は大笑いです。僕もべべが解せぬまま一緒に笑います。 べべは女陰のことでした。

紙芝居屋
柝が打たれ、かみしばいが始まろうとした時 出刃包丁を手のおばあさんがツ、ツ、ツと来て 自転車の前輪タイヤに包丁をつき立てたんです。 おじいいさんは真っ青になって逃げました。 それっきり、この紙芝居は二度と顔を見せません。

MP
ある日、おばさん家にMPのジープが止り連行されました。 犬猿の仲、隣のおじさんは興奮状態で 「ざまあみやがれ、モンキーハウス(米軍の留置所)にぶっ込まれろ!」 おばあさんは裸を注意され、婦人兵のブラウスとスカートを着せられ送られて来ました。 それでもすぐ元の姿に戻りました。 腰巻きは常に糠のような匂いがしています。バクテリア臭です。

バッテンボー
そんな事があってでしょうか、おじさんは東上線金井窪駅近くの BARバッテンボーの女に退職金まで前借して入れあげマダムの所へ転がり込みました。 おばさんは捨てられたんです。 バッテンボーとは、米映画腰抜け二丁拳銃の主題歌、 ボタンとリボンつまりBUTTON AND BOW大変流行った歌です。

ノーサンキュー
お金の無くなったお気狂っあんは街に経ちました。 パンパンに変身です! 誰がみてもお婆さんですから ”ノーサンキュー、オールドレディ”とはなもひっかけません。

おばあさんはめげません
裾の長い花の咲く着物にシワも埋まるほどに白粉をはたき現れたのです。 さあ大変、米兵は「ハーイ、ピーチ!」「マイベイビードール」「ヘイ、ゲイシャガール」と一躍売れっ娘?のパンパンです。 そして大金をかせぎどっかへ消えました。 おばあさんは江戸四宿の一つ板板橋宿のお女郎さんだったのを、 おじいいさんに引かれ所帯をもったとのこと、 その後、中山道板橋宿の巴屋とかで見かけたと噂もありましたが…。

またみてね
おしまい

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